スタッフA 慧舟會

遡る事十数年、飯田橋にあった和術慧舟會RJWでの選手練での一幕、全ての選手が怖れていた久保社長がソファーにドカッと座っている。
すると、

久保社長「試合近いやつ誰だ!」

若き日の当道場館長である漆谷と私が社長の下に駆け寄ると

久保社長「すりあげ300回やれ!」

漆谷は難無くこなすも当時の私は疲れない"すりあげ"を追求しており、しかし私の鼻先に陣取る社長の目を誤魔化せるはずはなく、アドレナリンだけで300回こなしたのでした。
それから2週間、私の腕は使い物にならなくなったのでした。

漆谷と私が在籍していた慧舟會とは木村政彦先生の直弟子、拓殖大学柔道部OBである西良典先生が長崎にて開いた道場です。そして拓殖大学で西先生の後輩にあたる久保社長と守山さんが東京を拠点に広げていきました。

"鬼の木村"、その精神は慧舟會を媒体として格闘技界にも受け継がれていきましたが、私には到底体現する事は出来ませんでした。しかし小路晃、宇野薫先輩方は確実に継承していかれたと思います。
私はそれを身近に見てきたのです。